ルクルトのメモボックスで、初期モデルです。
1950年代のモデルで、ケースの材質は10Kゴールドフィールド(金張り)。
主ゼンマイ用、アラームゼンマイ用のふたつのリューズが付く、特徴的な外観を持ちます。
2時の位置にアラーム専用のリューズがあり、
押し込んだ位置でアラーム専用のゼンマイを巻き上げる、アラーム機能付きの腕時計です。
リューズを一段引き出して左に回転させると、
文字盤内側の回転ディスクが左に回ります。
△印を設定したい時間の位置に合わせて、リューズを押し込めば
アラームセット完了です。
これはルクルトだけが採用している機構で、
他のメーカーはリューズを引き出した時にアラームがセットされた状態になりますが、リューズが何かのはずみで戻ってしまうと
アラームが作動しないため気を遣います。
このため、ルクルトの方式はわかりやすく扱いやすいです。
搭載しているムーブメントはCal.489/1で、ムーブメントが厚いです。
その厚みを感じさせないよう形状が工夫されており、
ケースの側面をシェイプして裏蓋が台形のような造りになっています。
ラグ部分は外側に緩やかにふくらむフレアータイプで、
デザインのアクセントになっています。
こちらは当店でオーバーホール済み。
ベルトはアンティークな雰囲気に似合う、薄くフラットなワニ革を付けています。
年代物の機械式アラーム付き腕時計は、頻繁な使用は部品の劣化を招く場合がありますので、取扱いはやさしく丁寧にお願いいたします。
元々非防水の仕様です。
浸水しえる状況での使用は避けていただき楽しんでください。