1955年頃のオイスターパーペチャル『Ref.6284』です。

自動巻きを実用化した、ロレックスの代表的な『セミバブル』モデル。

初期の自動巻きムーブメントはローターに厚みがあり、これをオイスターケースに収めるために、ふっくらと丸みを持った独特の裏蓋が採用されています。

裏蓋内側には、ロレックスの王冠マークをあしらった特徴的なマークが刻印されています。

文字盤はかなり以前にリダンされたものと推察され、全体的に軽く焼けた印象です。
後年のバブルバックに多く採用されたくさび型インデックスと、シャープで鋭い形状のアルファ針が当時のテイストを強く感じさせます。

ムーブメントはA260系で、前身のNA系キャリバーと基本は同じですが、
NA系に見られたベースムーブメント全面をカバーで覆っていた仕様から、
テンプと緩急針をカバーから露出させて、精度調整しやすく改良されています。

また、NA系に比べてローターの斜面が緩やかになり、ムーブメント外周を大きくすることでローターの慣性を増やしています。
ローターを重くするのではなく、慣性を高めて巻上げ効率を改善する設計思想が読み取れます。

こちらは当店でオーバーホールと外装仕上げ済み。

風防に小傷がありますが、ケースには目立つような傷がなく綺麗な状態です。

リューズのねじ込みはかかりますが、ねじ込みできる位置がやや浅いです。
ねじ込みリューズに慣れている方におすすめします。

尾錠はロレックスの純正品です。

ベルトはモレラート製の新品に交換済みですので、気持ちよくご使用いただけます。